所員の活動  (2016・2017)

2015年以前の論文・出版物はこちらのページをご覧ください。

 


研究所所員の朴 沙羅さんがご著書『外国人をつくりだす──戦後日本における「密航」と入国管理制度の運用』(ナカニシヤ出版 2017年)を刊行されました。本書は、敗戦直後の日本国家の解体と形成のなかで、「元日本人」の朝鮮人がどのように「外国人」とされていったのか、それとは別のところで、とくに「密航」した朝鮮人たちが、どのように「在日朝鮮人」になっていったのか。それを占領軍・日本国・当事者の視点を交差させ、また管理制度、官吏・官憲、当事者の交渉(の語り)を交差させて論じています。それは、戦後国家の管理体制の由来を問う意味でも、そこで生き抜いた朝鮮人の経験を問う意味でも、国家・国籍・民族のカテゴリーを問い直す意味でも、重要な問題提起になっていると思います。ご一読をお薦めします。

 



■ 研究所員の渡辺拓也さんが、ご著書『飯場へ──暮らしと仕事を記録する』(洛北出版、2017年)を刊行されました。ご著書は、飯場における日雇労働者の生活と仕事の世界を内部から詳細に描き、下層労働者の労働・規範・意味・関係等を分析した、日本の労働研究の新展開に確実に寄与する書だと思います。ご一読をお薦めします。

 



■ 研究所所員の濱西栄司さんが、ご著書『トゥレーヌ社会学と新しい社会運動理論』(新泉社 2016年)で、第4回 福祉社会学会奨励賞 と 第12回 日本社会学史学会奨励賞を受賞されました。お喜び申します。濱西さんのますますのご研究の前進を祈念いたします。



■ 研究所所員の樋口直人さんが第4章を担当された『徹底検証──日本の右傾化』(塚田穂高編 筑摩書房 2017年)が刊行されました。現代日本のホットトピックを主題に、政治の危うい状況を憂え、批判的に切り込む。ご本は、そのような簡明で的確な日本政治理解の導き書になっていると思います。ご本が活発な議論を喚起するテキストとなることを祈念します。ご一読をお薦めします。



■ 研究所員の金菱 清さんが編集された『悲愛-あの日のあなたへ手紙をつづる』(新曜社 2017年)が刊行されました。「喪われたものの重みを被災者自ら言葉にして手紙につづる時に、それは「手紙をこえる手紙」になっていることに気づかされます。内容は私的なものですが、言葉を通して私たちはその奥にある世界へと誘われ、その深みを感じ取ることができます」(金菱さんの紹介文より)。沈黙と慟哭。死んでなお溢れる命。ご一読をお薦めします。

 

 



■研究所所員の木下直子さんがご著書を刊行されました。

 

「慰安婦」問題の言説空間-日本人「慰安婦」の不可視化と現前』(勉誠出版 2017年)

 

「慰安婦」問題をめぐる言説構築の史的過程を追い、ナショナリズム・コロニアリズム・ジェンダーの〈関係〉を捉え、そこに日本人「慰安婦」を位置づけてその不可視化の意味を問い、もって「慰安婦」問題研究に新地平を拓いた学術の書です。ご一読をお薦めします。

 

 



■研究所所員の髙谷 幸さんがご著書を刊行されました。

 

追放と抵抗のポリティクス-戦後日本の境界と非正規移民』(ナカニシヤ出版 2017年)

 

本書は、戦後日本を舞台に国家による移民の分割と非正規移民の抵抗のポリティクスを分析し、それを現代の非正規移民が生きる状況に繋げて、私たちを含む国家を告発した書です。非正規(の創出)は国家(の意思)の函数であり、非正規(移民)の抵抗の函数である。本書は、その創出と抵抗の顛末を戦後日本という壮大な舞台で追跡し、展開しています。ご一読をお薦めします。

 



■研究所所員の笠井賢紀さんが工藤保則さん、大山小夜さんとともに以下の著書を編集・刊行されました。

 

基礎ゼミ 社会学』(世界思想社 2017年)

 

現代社会の諸問題と社会学的分析についてコンパクトに読みやすく解説された社会学書です。ご一読をお薦めします。 



■研究所員の白波瀬達也さんが次の著書を刊行されました。

 

白波瀬達也著『貧困と地域-あいりん地区から見る高齢化と孤立死』(中公新書 2017年)


大阪市のあいりん地区(釡ヶ崎)の野宿者、生活保護受給者、社会的孤立をめぐる現状と背景の報告本です。ご一読をお薦めします。



■研究所員の好井裕明さんが次の著書を刊行されました。

 

好井裕明著「今、ここ」から考える社会学』(筑摩書房新書 2017年)


社会学の入門者に、社会学的思考の重要ポイントを簡明に説いた書です。

ご一読をお薦めします。


■研究所員の原口剛さんが次の著書を刊行されました。

 

原口剛著『叫びの都市──寄せ場、釡ヶ崎、流動的下層労働者』洛北出版 2016年

 

本書は、日本の都市下層の原点・釡ヶ崎の労働/空間/闘争の半世紀を論じた歴史地理学の書です。そこは、「流動的下層労働者」が来たり、身を寄せた空間であり、その歴史は、「寄せ場労働者」が通り過ぎた今日も、流動する都市下層の基層を象っています。重厚な記述と白黒写真の迫力が読者に迫ってきます。ご一読をお薦めします。

 


■ 研究所員の朴沙羅さん・前田拓也さん・打越正行さんが執筆した次の著書が刊行されました。

 

木下衆・朴沙羅・前田拓也・秋谷直矩編著,『最強の社会調査入門』ナカニシヤ出版 2016年.

 

本書は、質的調査をすすめてきた16名によって書かれた社会調査入門です。初学者が「面白くて、マネしたくなる」ような入門書を目指して執筆者は自身の経験やそこで見出した具体的な方法について書かれています。初学者はもちろん、専門家にも読み応えのある1冊となっています。ご一読をお薦めします。

 


■ 研究所員の濱西栄司さんが、次の著書を刊行されました。
濱西栄司著『トゥレーヌ社会学と新しい社会運動理論 』 新泉社 2016年
   
本書は、フランスの社会学者トォレーヌおよびその学派の社会運動理論をベースに、グローバル世界の(新しい)社会運動を捉える理論枠組みを提示し、具体的なグローバル運動への適用を通して、その検証と展開を図ったものです。読者はそこに、社会自体が社会運動と化している、激動する現代世界の、ともに変容する「理論と実践」をみることができます。


 

■ 研究所員の森千香子さんが、『排除と抵抗の郊外: フランス〈移民〉集住地域の形成と変容 』(東京大学出版会 2016年)で、フランス学術研究に与えられる渋沢・クローデル賞の特別賞(2016年度・第33回)を受賞されました。ますますのご研究の前進を祈念いたします。


 

■研究所員の北川由紀彦さんが、丹野清人さんとともに次の著書を刊行されました。

 

北川由紀彦・丹野清人著『移動と定住の社会学』 放送大学教育振興会 2016年

 

本書は、放送大学の教科書として著されたものですが、移動(および非定住)と定住に関わる諸問題(「労働市場」「エスニシティ」「出稼ぎ」等)を簡明に、しかし理論的に重要なポイントを押えて説き起こしたものです。日系人と日雇労働者(及びホームレス)を包摂する枠組み(移動と労働市場)のなかで捉え、個別の問題を押えつつ、基底をなす日本社会を問うという視点は重要なものだと思います。日本の移民研究にそのような視点は希薄だったと思います。

 


■研究所員の朴沙羅さんが、次の翻訳本を刊行されました。

 

アレッサンドロ・ポルテッリ著『オーラルヒストリーとは何か』 朴沙羅訳 水声社 2016年

 

歴史的事実に関する口述資料をもとに、その分析をめぐる方法的問題を説いた「オーラルヒストリー」の基本文献の一つです。口述による「事実」と「歴史」の「客観的」分析は、どのように可能か。その語りの「間違い」や「主観」をどのように処すべきか。本書は、これらの問いに迫り、オーラルヒストリーの特徴と意義を丁寧に説いています。

 


■ 研究所員の吉原直樹さんが、今野裕昭さん、松本行真さんと次の書を編集執筆され,、刊行されました。


海外日本人社会とメディア・ネットワーク―バリ日本人社会を事例として 』東信堂 2016年

 

本書は、インドネシア・バリの日本人社会の調査を通じ、今日移民に生じている基底的変動を分析したものです。「強制移住」から「ライフスタイル移民」へ。本書は、多様なネットワークが導く日本人の現代的移民を分析し、合わせて、それが地域社会にとって意味するものを問いかけています。

 


■研究所所員の濱西栄司さんが、下記の本の第2章「サミット・プロテストの全体像とメカニズム」を執筆されました。

 

『サミット・プロテスト──グローバル化時代の社会運動』野宮大志郎・西城戸 誠編 新泉社 2016年
 
反グローバリズムの闘いから、現代世界の権力構造がどうみえ、社会運動の可能性がどう開かれるのか。社会運動論はそこへどう切り込むのか。胸躍る実践の社会学です。


■金菱清さんが 次の2冊を執筆されました。

 

 金菱清『震災学入門──死生観からの社会構想』筑摩書房 2016年


金菱清ゼミナール『呼び覚まされる霊性の震災学──3・11 生と死のはざまで』新曜社 2016年

 

東日本大震災で生き残った人びとが、この世に蘇る死者たちとどう生きているのか。そのような死者と生者の霊世界を介して「災害」「被害」の意味を再考し、 そこから、死者を忘却し、生者を葬りかねない「復興」の論理を撃つ。環境社会学と宗教社会学を接合し、震災学の新世界を切り拓く野心作です。ご一読をお薦 めします。


■小ヶ谷千穂さんが次の本を刊行されました。

 

 小ヶ谷千穂『移動を生きるーフィリピン移住女性と複数のモビリティ』有信堂高文社  2016年1月