猪股 祐介(いのまた・ゆうすけ)

    

    所属

 

京都大学学際融合教育研究推進センター 研究員

社会理論・動態研究所 研究員 

 

    専門分野

     

  歴史社会学、「満洲移民」研究


   

    研究テーマ

 

これまでの研究テーマは、「満洲移民体験者」は入植地での民族関係やソ連参戦後の戦時性暴力をいかに想起してきたか、である。

彼らは現地住民との民族対立をあまり想起しなかった。入植地は現地経済から断絶されていたからである。ソ連参戦後の「満洲移民」女性に対する戦時性暴力は、「ソ連兵の野蛮さ」として想起されてきた。しかし実際は日本人移民の強姦加害者もあった。また「満洲開拓団」幹部が「開拓団」の安全を確保するために、未婚女性を強姦加害者に提供していた。「満洲移民体験者」は彼ら日本人加害者・協力者に触れずに、強姦を「災難」のように想起してきた。

しかし「満洲移民体験者」は2000年代以降、現地住民との民族対立や戦時性暴力の日本人加害者・協力者を想起し、証言するようになった。現在の研究テーマは、このような「満洲移民体験」の語りの変化は、「慰安婦」に代表される東アジアの被害者の証言や「満洲移民体験者」の世代交代にいかに影響されたか、またそれが「満洲移民体験」の継承にいかなる影響を与えるか、である。


   

    主な著作

 

  猪股祐介. 2015. 「ホモソーシャルな戦争の記憶を越えて」. 『軍事史学』. 51 (2): 94-115.